2008-05

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万鋼と諸党派の参政への道

黄麗巍

致公党中央委員会主席、科学技術部万鋼部長

   2008年3月6日、北京で開催された第11期全国政治協商第1回会議が記者会見を催し、共産党以外の民主党派(中国国民党革命委員会、中国民主同盟、中国民主建国会、中国民主促進会、中国農工民主党、中国致公党、九三学社、中国台湾民主自治同盟党の八党派)の主席を招き、諸党派の状況を紹介し、記者の質問に答えた。これはここ十年で初めての、諸党派指導者の集団記者会見であった。

職務をもち、責任をもち、権力をもつ

   記者会見の会場で、もっとも人々の注目を浴びたのは、致公党中央委員会主席、科学技術部部長の万鋼氏である。ふつうの高官のように襟を正し硬い表情をしておらず、終始笑みを浮かべながら、興味深そうに記者の質問とその回答を聞き、時には大笑いもしていた。

   万鋼氏の履歴書によれば、彼はずっと政治には無関係な仕事に携わってきた。

   16歳の時に上海から東北の農村に行き、その後の7年間、農作業、倉庫の保管係、出納係、トラクターの運転手などをこなし、生産隊の隊長にもなった。万鋼からすればその経歴はすごく重要で、その経験があるからこそ一般の人々の生活をよく理解することができるという。1985年に、万鋼はドイツに赴き、クラウスタール工業大学機械学部のドクターコースに入学し、卒業後、ドイツのアウディ社に勤めた。2001年、ドイツから帰国した万鋼は同済大学で教職についた。わずか7年の間に、万鋼は大学校長から科学技術部部長まで並々ならぬスピードで昇進した。

   万鋼の就任について、マスコミはこう評価している。急成長中の中国は、科学技術のイノベーションに対して極めて高い期待を持つが、従来の科学技術発展の体制には多くの弊害があり、社会各界から改革への期待が高まりつつある。このため、万鋼に対する「非政治な」期待が高いのである。

   このような多くの期待の中で、2007年4月に科学技術部の部長に任命された万鋼は、35年ぶりの非共産党員の部長として、マスコミの注目を浴びている。最初の任命から始まり、就任後の仕事の評価まで、ここ数年、これほどまでにマスコミに注目された政治家はいなかった。

   3月6日の記者会見で、科学技術部の部長を1年間務めた万鋼に、記者はしつこくたずねた。党外者として国家の部長となっても、実権はありますか?

この質問に対して彼はこう答えた。「昨年5月14日、温総理は同済大学で意味深い講話を発表しましたが、その後、温総理は車中で私にこう言いました。『万鋼さん、あなたは部長として、まず職務をもち、責任をもち、権力をもつ必要がありますね。』」

   万鋼には実権がないのではないかという心配は、実は諸党派政治家の参政に対する関心である。職務をもち、責任をもち、権力をもつという表現は、現在の党外者の参政状況の的確な描写である。

記者会見に出席した八党派の主席

型にとらわれずに人材を抜擢

   記者会見で、ある記者は万鋼に、次にまた万鋼のような非共産党員の部長が登用される可能性があるかと聞いた。

   「中国には、型にとらわれずに人材を抜擢するという言葉があります。政府の高官としてもっとも重要なのは、責任感を持って人民と国家のために尽くす決心をし、能力を発揮することだと私は思います。この点からいうと、共産党員であろうと、民主党員であろうと、無党派であろうと、国家の政治に参与するチャンスがあります。なので、これからも、こういったことはきっとあると信じております。」

   万鋼一人ではなく、改革開放ののち、数多くの民主党派、無党派の指導者が次々に政府部門の指導職についている。万鋼のほか、無党派の陳竺も衛生部長に就任している。最新の統計によると、現在わが国の八党派には計72万人あまりの党員がいる。31の省•自治区•市人民政府には、省クラスの非共産党員指導者が30人おり、15の准省クラスの市には、非共産党員の副市長がいる。今回の政治協商委員では、非共産党の委員が全体の61%、1345人に達した。

八党派の主席が民主を語る

   改選された諸党派の指導者層は、平均年齢も若がえり、55歳の万鋼はもっとも若い主席で、歴代の主席の中でも珍しい。8人の主席の中に、アカデミー会員が2人、教授が4人、副教授が2人おり、エリート化の趨勢が目立つ。

   内外の記者のいろいろの質問に対して、8人の主席は落ち着いて一つ一つに丁寧に答え、指導者としての貫禄を示した。

   外国人記者の民主党派の政治的地位についての質問に、イギリス留学歴、アメリカの大学での教授歴を持つ農工党中央委員会の桑国衛主席は、自らの海外留学経験を語った。「鄧小平氏が指摘したように、中国大陸では多党制選挙を行わず、三権分立、参議員•衆議院の両院制も実施せず、われわれが実行するのは全国人民代表大会の一院制ですが、これは中国の実情に非常にあった方式だと思います。これは、全国13億の人口、56の民族を緊密に団結させ、各方面の人々を動員して国家を建設し、中国人をばらばらの砂から一固まりのものへと団結させます。これは、広範にわたる国民の民主権力を保障し、国民は信仰の自由、移転の自由、教育を受ける権利などの自由と権利を保障されています。われわれは法律に基づき秩序的に政治に参与する権力も持っております」。

   民主同盟中央委員会の蒋樹声主席は、過去5年間で、70回あまりの政治協商会議と座談会に参加したことがあり、その半分の会議は総書記や総理が司会を担当した。「われわれは指導者に22通の政策案を提出しましたが、すべての返事を中央から受け取り、多くの項目は実行に移されました。」

   中国民主促進会の厳雋琪主席は、約60人の民主促進会会員が全人代の代表を務め、70人の会員が全国政協委員を担任している。昨年、彼らは2000通以上の意見書を提出した。「われわれは国家政治に直接的に参加しています。この地位にあって、私一個人の実感としても、権力を持つ職に就いていると感じています。」

   1時間半の予定で開かれた記者会見は、最終的に2時間にも及んだ。マスコミは今回八党派の主席が出席した記者会見をこう評価する。「中国の諸党派協力制度は斬新で、世界で唯一の政党制度であり、斬新な執政方法かつ民主的な実施方法である。そして、民主党派は与党の共産党と共通な理想、共通な目標、共通の行動を持っていることを明らかにした。」