
広東省•湖南省の送電線を守る――国家送電網公司の江城送電線緊急修理のドキュメンタリー
鉄塔は倒れ、列車の運行が停止し、広東省の電力危機が迫っている。2008年の1月中旬から、中国南方はひどい雪害に見舞われ、三峡から広東への送電幹線、江城区間500キロボルト直流送電線が麻痺した。南方送電網は深刻な被害を受け、広東省の電力不足は深刻となり、一部の工場は、やむを得ず操業を停止した。
この人力も物資も乏しい緊急事態の下で、国家送電網公司はどうすればよいのか。「どんな代償をはらってでも、一刻も早く江城線の送電を取り戻そう」と国家送電網公司の劉振亜総経理は果敢に決断した。
行動で約束を実行
1月20日、江城送電線が切れた。1月26日、5基の鉄塔が倒れた。2月2日、さらに4基の倒れた鉄塔が発見された。災害がさらに広がる可能性は大きい。
災害はどんどん拡大しており、鉄塔の倒壊や故障状況もよくわからない。いかに人を配置し、資源を合理的に利用するか?送電を一刻も早く回復するために、江城送電線の修理作業を迅速に進めることが、国家送電網公司のリーダーたちの共通認識となった。
続いて、山東省電力グループの800人あまりが、自らの仕事を投げ打ち、江城線の緊急修理の支援にやってきた。500キロにわたる江城線南部での壊れた鉄塔の撤去と新しい鉄塔の据付、送電線の架線などを完成させるのは、極めて大変な仕事である。2月9日に、山東省電力グループは3月末までに完成させることという命令を受け取った。しかし、これは通常では完成しえない量の任務である。国家送電網公司は災害がさらに広がっている実情をかんがみ、江蘇省、安徽省、河北省、青海省から相次いで江城線修理支援隊を派遣した。深刻な災害に直面して、国家送電網公司がとったこの逐次増援策こそ、限られた資源を有効に利用し、貴重な時間を節約することになったのである。
|
大雪で倒れて道を塞いだ大木を電動のこぎりで除去する作業
|
|
災害はまた、国家送電網公司の組織力に試練を与えた。
「線路が長く、災害が深刻なので、線路巡回は非常に難しい。」3月1日、現場で指揮している国家送電網公司の建設運営部梁旭明副主任はこう語った。この長さに対して国家送電網は、500キロボルト江城直流送電線路の緊急修理指揮グループを組み、更に湖南省の長沙市、郴州市と広東省の乳源ヤオ族自治県にも緊急修理指揮グループを設けた。
「私たちは夜10時以後にようやく駐在地に戻り休むことができます。」江城線1929号鉄塔の施工現場を巡回していた、湖南省電力建設監理公司の周紅衛総監督はいう。
修理期間中、ずっと現場で指揮していた国家送電網の劉振亜総経理、公司湖南支援工事の総指揮者鄭宝森氏は、3月末と決められていた計画を数回繰り上げて、とうとう3月10日に完成させることとした。
風雪と戦う緊急作業
今回の被災ルートは、湖南省•広東省にまたがる700キロメートルで、32.4キロメートルの導線と123.8キロのアースを架線する必要があり、そのなかでも光ケーブルは151.2キロメートルに及ぶ。その上、絶縁棒の損壊、アースのずれなどの故障も363箇所と多く、しかも被災地はほとんど高い山や密林などの地勢が険しいところである。北京•珠海高速道路や北京•広州間の鉄道、数本の送電線を越えて通る江城線の修復は、保護技術への要求が厳しい。仕事量が多く、時間が限りがあり、技術的要求が高いことは、江城線の緊急修理工事の特徴である。
国家送電網公司湖南省援助指揮部の李慶林常務総指揮は「この緊急修理で、私たちはありとあらゆる手段を使い、作業員たちは常識では耐えがたい困難を乗り越えてきました」と語った。
3月2日、広東省翁源県鉄龍鎮にある標高1700メートルの銀山で、記者は1929号の鉄塔を緊急修理している労働者たちに会った。1929号鉄塔は銀山の頂上にあり、その東側には高さ600メートルの切り立った崖がある。山の上で風が強く、導線は絶えず風で揺れ動いていた。労働者たちは空中の導線をつかみ、崖の上空で作業をこなしていた。
機材の運輸も困難の一つであった。壊れた鉄塔を取り除くために必要な施工機材は重さ6トン、鉄塔の材料は重さ8トンに達した。交通も麻痺しているため車は使えず、すべての施工機材は人力で山の上に担ぎ上げられた。施工機材の運搬に2日間、鉄塔材料の運搬に7日間かかった。もっとも重い材料は、一本500キロ以上ある鋼材で、16人が4時間をかけてやっと頂上まで運びあげた。
それと同時に、600人あまりの解放軍と武装警察兵隊が緊急出動し、はるばる江城の緊急工事に駆けつけ、襲い掛かる風雪と何度も戦いながら、緊急修理の作業を支援した。
早さも質も大事
3月2日、記者は安徽省電力公司が請負った1691号鉄塔の修理現場にやってきた。鉄塔は広東省楽昌県雲岩鎮の標高900メートルの東山にある。
雪害で鉄塔の基礎を固めるボルトにひびが入った。一般的な状況のもとでは、改めてコンクリートの基礎を流し込んで、保養期を入れて少なくとも1カ月半のちに鉄塔の組立作業を開始することができる。
安徽の羅義華さんの紹介によると、線路巡察員が1691号鉄塔の倒壊を見つけた2月11日に、さっそく送電関係者たちは緊急修理案の策定に着手した。12日、旧暦の正月から郴州の現場で指揮していた江城線緊急修理組の喩新強組長は、火力発電設備の備え付け会社の専門家を招いて、溶接という方針を決定した。武装警察水電二総隊の隊員が専用設備を持ってやってきて、現場についた夜ただちに修理作業を始め、わずか3日間で壊れた基礎を修復したという。
鉄塔の組み立て作業を始めた25日、ようやく雪がやみ晴れあがった。しかし、意外にも山火事が発生した。作業員たちは慌てて鉄塔の上に登って危険から逃れた。26日の早朝、またみぞれが降り始めた。鉄塔の表面はすぐに凍りついた。作業員たちはやむを得ずまた鉄塔に登り、氷を取り除く作業を行い、急傾斜のところでは包帯を巻きつけ、滑り止めとした。
3月6日、緊急修理指揮部からよいニュースが伝えられた。送電会社の社員たちの連日の努力によって、ついに6日の夜に江城線の送電が回復し、広東省の電力供給は大きく緩和されたのだ。停電で生産を停止していた工場は次から次へと操業を開始し、暗黒のなかで待ちに待った人々はようやく明るい夜を迎えることができたのだ。
|