1993年10月7日、初回上海国際映画祭が1週間の日程で開催された。今日では世界七大国際映画祭の一つに数えられている上海国際映画祭は、中国映画の発展と、国際交流の強化に積極的な役割を果たしている。
先ごろ、第9回上海国際映画祭が開幕し、話題の焦点となった。まだ歴史の浅い上海国際映画祭には活気が溢れる反面、まだ十分な知名度はなく、新しい映画祭ならではの斬新さと不慣れゆえの保守性が共存している・・・。
映画の等級指定制度の導入を求める声
現在、中国映画にはA級、B級、R指定などの等級指定がない。今回の映画祭では著名な映画監督の多くから、「等級指定制度を早く設けるべきだ」という意見が出された。
映画界の人々は、100年の映画史を有する国家に、こうした等級指定制度がないなど考えられないことだと言う。中国のように児童の教育を重視する国であればこそ、子供からお年寄りまですべての人が観て差し支えのない映画を制作するには、表現や題材にかなりの自粛が必要になる。それゆえ、このような指定制度があれば、観客層によってそれぞれ違ったタイプの映画を作ることが可能になり、観客の細かな要求を満たすことができるようになる。今回の映画祭で審査員特別賞に輝いた『茉莉花開』の侯咏也監督も記者会見の席上で「映画の等級指定制度は中国映画にとって緊急課題である!」と訴えている。
このほか、高過ぎるチケット代をずっと我慢し続けてきた中国人に代わって、韓国映画評論協会の会長からこの問題が提起された。「もしも、韓国で中国並みの料金を取っていたら、韓国人は映画を観ないでしょうね」と、会長は記者に述べている。しかし、この発言は中国の監督たちには余り歓迎されなかったようだ。興行収入は彼らの悩みの種で、チケット代が大幅に値下げされてしまうと、興行収入も減少してしまうからだ。
第六世代のステージ
中国映画界には映画監督を世代で分ける慣習がある。これは、それぞれの監督が所属する時代と、それぞれの世代によって異なる作風を表している。例えば、有名な張芸謀監督は第五世代に属する。今回の映画祭で特に目立ったのは鮮明な個性を持つ第六世代の監督の台頭であった。今回は第六世代で最も活躍している張元、?Yの両監督は出席していなかったものの、ここしばらく映画の第一線から遠のいている賈樟柯監督と王小帥監督が、映画祭組織委員会の開いたイベントに初めて揃って姿を見せ、メディアと彼らのファンを大いに喜ばせた。賈樟柯監督は冷静に「私はメジャーに復帰したわけではありません。自分とは違った体制を見に来ただけで、私の心境に変化はありません。この映画祭は本来私たちのステージです」と語った。
注目を集めた韓国映画
上海国際映画祭は中国側の主催で開催されたが、今回最も活躍が目立ったのは中国映画ではなく、韓国映画であった。組織委員会の資料によれば、今回の映画祭に参加した119作品のうち実に17作品が韓国からの出品であった。この数は主催の中国を除けば、アジアで最も多い。韓国からの参加作品『スキャンダル』が最優秀映画候補にもノミネートされ、映画祭での興行収入も群を抜いていた。
今回の開催期間中の興行成績は上海国際映画祭始まって以来の最高額を記録した。映画祭の開幕前夜の段階で、すでに前売り券の売り上げが前回のチケット販売総額の140万元を越え、閉幕を迎えた6月11日には総興行収入は190万元に上っていた。当日券売り場でも満席の表示が出ている映画が多かったことを記憶している。