中国は世界最大の玩具生産国であり、輸出国で、8000社以上のメーカー、300万人の従業員を擁し、世界の約75%の玩具を生産している。
しかし、その背後には大きな問題が存在している。それは、ブランド製品がないこと、デザイン能力が乏しく、付加価値の高い製品がないこと、ほとんどのメーカーが外国の玩具会社の発注によって仕事をしていることである。例えば。バービー人形をなら、人形1体を加工して得られる利益は、米ドルで50セントにも満たない。
しかし、昨今の中国では事情が変わってきている。2004年4月に広州で開かれた第16回広州玩具展示会では、ハイテクを導入した多くの目新しい玩具が展示ブースに並べられ、中国の玩具産業が、輸出加工だけに頼って易い加工料を稼ぐこれまでのパターンを脱却しようとしていることを示した。
国際基準より安全性に重きを置いた『国家玩具技術安全規範』も今年10月1日より正式に実施されることになっている。
撮影レンズつきの飛行機、リモコンのレーシングカー、クマのプーさん、バービー人形、オルゴール、積み木・・・・・・おもちゃにもいろいろある。
おもちゃを手にして喜ぶ子、玩具店の前で買ってほしいと泣いている子、おもちゃは子供にとって何よりの宝物だ。おもちゃは子供たちにとって友達のようなものであり、知力の開発にも役立つ先生のようなものである。現代人の目には、おもちゃの無い子供時代は不健全と言えよう。そこで、親たちはおもちゃに対する子供の願いをできる限りかなえてやりたいと思うものだ。
おもちゃは子供たちの宝物ではあるが、子供たちだけのものではなくなった。 最近では、玩具市場に成人化の傾向が顕著に現われてきた。大人たちがおもちゃに熱い視線を向けているのだ。また、おもちゃの用途も、店先や事務室に飾って客寄せをしたり、職員の目を楽しませたり、家庭でも温かな雰囲気を演出するインテリアとして用いられることが多くなった。目的はどうあれ、おもちゃの消費は成人層にも広まってきている。
市場の動向を見れば、若者たちは頭を働かせて自ら参加する複雑なゲームやインテリアになる玩具を、中年の人は暇つぶしのための簡単な玩具を、お年よりは昔を懐かしみながら老後の生活に楽しみをもたらしてくれる伝統的な玩具を好むことが分かる。成人女性は玩具としても飾り物としても両用できるものを特に好むようだ。
このような「おもちゃ」ブームは、経済的原因でおもちゃを買ってもらえなかった、またはおもちゃの種類が少なかった1960〜70年代に生まれた人の「子供時代を取り戻したい」という願いから生まれたものだと見られている。ほかに、職場での責任が重く、競争も激しい現在の30−40代(やはり、1960〜70年代に生まれ)がストレスの解消に玩具を必要としていることも原因の一つであろう。おもちゃには世代に関わりなく人々を癒す力があるのだろう。
しかし、消費者側の需要は高まっているのに、市場の準備はまた整っていない。「おもちゃは子供のもの」という生産者側の位置付けのため、国内市場では99%の玩具は今も子供向けのものである。残りの1%にしても、数量も種類も少なく、値段が高いなどの要因が、消費が今ひとつ伸びない原因となっている。
玩具メーカーは玩具市場の需要を分析し、成人の要求に応じて成人に相応しい玩具を開発し、ハイテクを導入して玩具のレベルアップに努めなければならない。また、販売会社も新発売のゲームを紹介するためのゲーム喫茶を開設するなど、販売方式を変革していく必要がある。
中国は世界最大の玩具輸出国であるだけに留まらず、世界最大の玩具消費市場でもある。関係部門の予測によれば、2010年には中国の玩具消費額は1000億元を超える見込みである。膨張を続ける中国玩具市場を見据え、日本有名な玩具メーカーTOMY社の富山干太郎会長は近ごろ上海で、「中国は世界的な玩具製造大国であるが、近い将来に玩具の消費大国にもなる。中国の発展のスピードは世界でも稀に見るもので、われわれはこの巨大な市場に十分な自信がある」と語っている。