跳躍板を踏み出すたびにタイトルを手にしてきた郭晶晶選手は、ポスト伏明霞の「女子飛び込み界の第一人者」となった。北京オリンピックでもこの「飛び込みのプリンセス」は、自分のキャリアの一部としてタイトルを手中に収めることだろう。
ここ最近の情報では、郭晶晶の名は2008年のオリンピックに向けた強化トレーニングのメンバーのリストに入っていない。ところが、スポーツ・メディアに現れない彼女が、なんとポスターになってデパートの化粧品売り場に登場しているのだ!優雅な金メダリストがセクシースターに変身した事に驚いた人々は、続いて新聞の芸能欄で彼女の名前を目にするようになった。郭晶晶は選手生活に終止符を打つのか?彼女の活躍に期待を寄せる人々は、戸惑い、憂慮した。
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女子飛び込みの金メダリスト郭晶晶選手がコマーシャル・スターに変身
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飛び込みのプリンセス
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郭晶晶は芸能人になったのか?
郭晶晶選手にスターの素質が具わっていることは疑いもない。オリンピックの金メダリストという肩書き、美貌、そして英知。もちろんマスコミが煽っていることも否めないが、彼女の人気は他の二人の美人選手―伏明霞選手や劉?選手をはるかに凌いでいる。中国オリンピック・メダリスト団が香港での祝賀活動に出席した2004年9月以降、郭晶晶の名前は新聞のスポーツ欄から遠ざかり、芸能欄で頻繁に見られるようになった。このときから、すでに彼女はスポーツ選手からアイドルに変身していたのだ。
その後も彼女は様々な商業イベントに参加するようになり、多くの新聞が芸能ネタとして彼女の動向を「飛び込みのプリンセスのお遊び」と大見出しで報道した。ネットや民間でも彼女のビジネスについて控え目ではあるが、取沙汰するようになった。しかし、彼女自身はこうした周囲の声に「オフ期間のこと」と答え、一笑に付している。
これについて、中国国家水泳センターの李樺主任は、すでに郭晶晶選手を飛び込みチームに呼び戻しており、彼女に「自己管理と商業活動に具体的な要求を出した」ことを明らかにした。但し、センターが契約した商業性の広告はこれに含まれていない。李主任も、「確かに彼女は商業活動に関わりすぎた」とし、強化トレーニングのメンバーに彼女の名前がなかったのは、本人から休養期間がほしいという申し出があったためと語った。「もちろん郭晶晶選手は、現在もナショナルチームのメンバーです」と、李主任は付け加える。
スポーツ・アイドルを管理する難しさ
アテネ・オリンピックで空前の32個の金メダルを獲得した後、中国のスポーツ界と芸能界はこれまでなかったほどに距離が狭まった。しかし、ベッカムやクルニコワとは違い、郭晶晶、田亮、劉翔ら中国選手はプロのスポーツ・アイドルではない。彼らは国家が一切の費用と責任を負って育てた選手であり、契約で雇用されているわけではないのだ。北京体育大学管理学院の助教授・蕭淑紅先生は、「わが国のスポーツ選手の無形財産権は選手個人ではなく、国家に属しています。商業活動に関わる場合も、国家がその選手をマネージします」と、説明する。
郭晶晶選手のケースは、最近のオリンピック金メダリストを芸能人扱いする風潮の最たるものである。110メートルハードルの劉翔選手も自動車のニューモデルの初出荷セレモニーへの参加、携帯電話のPR、メンズファッションのイメージキャラクターなどの商業活動を行っており、テニス女子ダブルスの孫甜甜・李?ペアは数社のブランドの広告を受け持っている。優秀なスポーツ選手は同時に強いインパクトを持ったCMキャラクターでもあるのだ。こうした風潮をその保護者である国家はまったく予期しておらず、その対策も不十分であるため、現在は各種目の協会が所属選手に対して応急的な措置をとっている。たとえば、バレーボール協会の管理センターでは、選手に「コマーシャルの撮影は練習時間と重なってはならない、広告は一人一社のみ…」という通達を出している。
スポーツ選手の商業活動については、国家スポーツ総局が公布した1996年、1998年、2001年の文章の中で規定が設けられている。2001年の『国家スポーツ総局種目スポーツ管理センターの活動規範化と関連問題に関する通知』では、センターは選手が関わる広告の形式と内容を審査監督し、参与する。商業性の広告活動に関しては必ず批准を経なければならない。広告の収益は選手個人が50%、その他をコーチ、スポーツ協会、スポーツ選手の所属単位などで分配する。などの項目を明確に規定している。2001年以降、この規定は改正されていない。
この2年、スポーツの産業化の過程で、スター選手の商業活動は急速に表面化してきた問題である。去年,NBAで活躍中の姚明選手とコカコーラ社との間で肖像権問題が持ち上がった。問題を複雑にしているのは1996年に公布された505号文書にある「現役選手の無形資産は国家に帰属する」という規定であった。この事件は政策の不備に警鐘を鳴らしたが、国家は調整に取り組んではいない。このため、今回のオリンピック・アイドルブームにも、各種目の管理センターは後手に回ることになったのだ。
スポーツ選手には巨大な市場価値がある。これを如何にして国家の利益に符合させつつ、市場と個人の需要を満たしていくのか?スポーツ選手の市場化の方式は市場と国家のどちらが決定していくのか?
しかスポーツ・アイドル問題の推移はもちろん気になるが、やはりファンは競技場での彼らの活躍を何より期待しているのではあるまいか。