2001-07

中国お国めぐり

麗江の神々
文/楊福泉  写真/李麗元


  雲南、四川、チベットと隣接するある地域に、神秘につつまれた「ナシ古王国」がある。この名前は100年余り前にこの土地に踏み込んだ西洋の探検家と学者たちがつけた。
 ナシ古王国の都―ー麗江はチョモランマ山脈の果て地帯、青海・チベット高原の南に横断山脈に沿った「3江同流」区域にある。境内には壮麗な山や雄大で川が多い。神韻縹渺とした連山にはの麗江の大自然の霊がやどり、麗江の大自然はナシ人の勇敢かつ多情な魂を孕んで来た。
 古都から18キロに離れた玉龍雪山はナシ人の神山であり、ナシの魂でもある。ナシ人は玉龍山を青春の命と愛情の故郷と呼ぶ。愛の為に命を絶つ者はこの雪山の上に美しい霊魂浄土「玉龍第3国」があると信じている。彼らはこの世の数えきれない悲劇と至上の愛を絶唱し、ここにその魂を帰す。こうして、ナシ古王国は世にも壮絶な異名――「世界心中の都」とも呼ばれている。歴史の歳月の中、かつてここには青海・チベット高原を横断した神奇の商業路が現れたことがある。この高原の古道に数多くの荷馬隊が行ったり来たりして、雲南、四川、チベット地区各民族経済と文化交流の架け橋を結んだ。その上麗江は歴史上、雲南・チベットと中国・インドの貿易重鎮の輝きをも記録した。チベット族とナシ族はこの古道上の主役である。
 
 
 麗江はあらゆるものを集め、多文化を極めた。儒、仏、道教文化が麗江と奇縁を結んだ。ナシ古王国は多くの霊山があり、聖跡も数多い。「万里長江第一湾」に大禹は治水の物語を伝えた。東方の大峡と呼ばれ、スリルとロマンに満ちた虎跳峡はナシ人が最も早く住みついた地であり、西南部の文筆山は遠近のチベット族の人々が毎年仏教の聖山――鶏足山へ礼拝する際、必ず立ち寄るチベット系の仏教勝地の1つである。ここを中心に、あたりの奥山には仏教、道教の寺が多い。西の老君山は「雲南の山の元祖」の称がある。山中のツツジ林は世界のナンバー・ワンと言っても過言ではない。この山の上に99の深い沼や池が点在している。国宝の猿、キンシコウはそのうっそうとした森林の中に悠然と生活を営み、そこここに遊び戯れている。麗江の近くにきらきらと光る岩石の林が赤い輝きをはなっている。さまざまな奇形をとる断崖絶壁はそれぞれ真っ赤にきらめき、太陽光線のもとで、白昼の巨大なたいまつが青山と緑の水の間を燃え続けているようにも見える。
 霊山と清水、腕の立つ者と知恵者たちが、この古都に浮世を離れた外形を与えた。トンバ文化を孕んだ、素朴でしかも濃厚なナシ文明の数千年の歩みは、その古都に限りない神韻をそなえる民族の故郷である。